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安全衛生環境委員会
災害事例とその対策Disaster cases and their countermeasures
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更新日:2025.10.02
高温の鍛造品が載っている台に手をつき、指に熱傷を負った
発生
〔発生時間〕:月曜日 15:30頃
〔発生場所〕:鍛造工場
被災者
〔職務〕:鍛造工
〔年齢〕:34歳
〔経験年数〕:5年
病傷
〔名称〕:手指の熱傷
〔程度〕:休業1日
災害発生状況
・被災者は左から流れてくる高温の鍛造品を火箸を用いてバリ抜き型にセットして、鍛造品から余分なバリを除去するバリ抜き作業を行っていた。
・当日は最高気温が35℃を超える猛暑日であり、工場内は相当暑くなっていた。作業中に暑さで意識が朦朧とした被災者は体勢を崩し、とっさに高温の鍛造品が載っている台に手をついてしまい、左手親指と人差し指に熱傷を負った。
発生原因
・ハンマー作業者とバリ抜き作業者には、暑さ対策として背後から冷風を送るスポットクーラーが設置してあったが、ハンマー作業者側に比べてバリ抜き作業者側は風量が弱く、十分に体を冷やすことができなかった。
・バリ抜き作業者が体勢を崩し倒れ込んだときに、作業台に載った高温物に直接触れられる構造になっていた。
再発生防止策
・スポットクーラーのフィルターエレメント交換を実施した。
・スポットクーラーの性能維持管理のため、スポットエアコン風量チェック表を作成し、風速計を使用して風速、温度を測定し、記入することをルール化した。
・熱中症以外の要因でも体調不良により体勢を崩して高温物に接触する可能性を考慮し、体勢を崩しても高温物に直接触れないように安全柵を設置した。
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